令和5年 即時型食物アレルギー全国モニタリング調査によると、即時型食物アレルギーを起こしやすい食品の順位は以下の通りです。
- 鶏卵
- クルミ
- 牛乳
- 小麦
- 落花生
アレルギーを起こしやすい
年齢別の食品
- 鶏卵、牛乳、小麦
- 乳児に多い
- クルミなどの木の実類
- 幼児~学童期に新たに発症する原因として頻度が高い
アレルギー診療

アレルギーとは、食物や花粉、室内のほこりの中のダニや動物の毛など、本来は敵ではないものに、体の免疫システムが過剰にまたは不適切な反応をしてしまい、各種の症状をもたらすものです。アレルギー反応を起こすものを「アレルゲン」といいます。
代表的なアレルギー疾患には、食物アレルギー、花粉症を含むアレルギー性鼻炎・結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがあります。軽いものから重症例まで様々ですが、現在の日本人では2人に1人は何らかのアレルギー疾患があるともいわれています。特にスギ花粉症や食物アレルギーは増え続けています。
アレルギーになりやすい体質の子どもが、成長に伴ってさまざまなアレルゲンと接触することにより、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎などを発症していきます。このように年齢とともにアレルギー疾患が形を変えて現れてくることを「アレルギーマーチ」と言います。
近年小児のアレルギー疾患が増加する中で、この「アレルギーマーチ」の発症、進展を予防することが重要といわれています。
乳児湿疹やアトピー性皮膚炎があると、その後の気管支喘息やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーの発症が増えることが明らかになっています。そのため、適切な治療を行い、湿疹のない皮膚にしていくことがアレルギーマーチの予防につながります。
近年のガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の早期治療や食事導入がアレルギー発症リスクに影響することが示唆されています。
直近の研究でも、乳児期早期に発症したアトピー性皮膚炎に対し、早期から炎症を十分に抑える治療を行った早期強化治療群の子どもは、3歳時点でも食物アレルギー(特に鶏卵アレルギー)の有病率が有意に低いことが分かりました。
また、離乳食では、卵や牛乳などのアレルギー原因になりやすい食材の導入開始を遅らせないことが推奨されています。ガイドラインでは離乳開始時期の遅延は逆効果であり、むしろ少量ずつ与えることで耐性を獲得しやすくなると報告されています。
上記のような症状・相談があれば、いつでも対応していますのでお気軽にご相談ください。
当院では、お子さま一人ひとりの症状や生活環境に合わせて正確な診断と適切な対応を行い、必要な指導や保育園・学校との連携もサポートします。
喘息は、発作性に気道が狭くなり、咳やゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴、息苦しさなどを繰り返す病気です。夜や朝方に咳で目が覚めたり、運動や冷たい空気を吸うことで咳が誘発されるなどの症状がある場合は、喘息を疑います。乳幼児期は喘息以外でも喘鳴が出ることがありますが、喘鳴のエピソードが3回以上反復し、気管支拡張薬の治療で改善する場合は乳幼児喘息と診断します。
喘息の治療は発作が起きた時に呼吸を楽にする治療と、発作が起きないように気道の炎症を抑える治療(長期管理)に分けられます。長期管理の薬としては、吸入ステロイド薬が最も効果があり主軸の薬になりますが、吸入薬なので吸入器具を正しく操作する必要があります。また、ロイコトリエン受容体拮抗薬も、低年齢の子や軽症の喘息への有効性が示されています。
気管支喘息は炎症が続くことによる気道狭窄が認められます。これは自然に、あるいは治療により、元の状態に戻りますが、治療せずに放置すると、繰り返し起きる炎症により、気道の構造が変化し(リモデリング)、元の状態に戻らなくなります。この状態になると、喘息症状がより起きやすくなりますので、適切な診断を受け、早めに治療を開始することが大切です。
咳が長く続く、ゼイゼイを繰り返す、運動時にゼイゼイして息切れが認められる場合は、喘息の可能性がありますのでご相談ください。
アトピー性皮膚炎は痒みのある皮疹が体の両側にできて、悪くなったり良くなったり慢性的な経過をたどる病気です。多くの人はアトピー素因(アレルギー体質)を持っています。慢性的な経過とは、1歳未満の子では2か月以上、1歳以上では6か月以上継続している状態と日本のガイドラインでは定義しています。
アトピー性皮膚炎が小さな子に多いのは、皮膚の機能が十分に発達していないため、皮膚のバリア機能に異常がおこりやすいためです。皮膚のバリア機能が低下して、さまざまな刺激やアレルゲンにより皮膚炎が起き、さらに痒くて掻くことでさらにバリア機能が下がるという「悪循環」が起きます。ひどくなると痒みで眠りづらくなったり、日常生活に支障を来たすこともあるため、ひどくなる前に適切なタイミングでの治療が必要です。
また、アトピー性皮膚炎のお子さまはその後に食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎を発症しやすいと言われています。皮膚が荒れていると、その部位から環境中のアレルゲンに対して反応する仕組みが作られるため、皮膚を良い状態に維持することは大事です。
皮膚のザラザラや赤みが繰り返している場合は、アトピー性皮膚炎の可能性がありますので、ご相談ください。
アレルギー性鼻炎は症状が現れやすい時期によって、「季節性」と「通年性」に分かれます。
季節性のものの多くは各種の花粉による花粉症です。一方で通年性の原因アレルゲンの90%はダニが占めています。
近年、アレルギー性鼻炎は小さいうちから起こることがわかってきました。通年性アレルギー性鼻炎については、少数ですがアレルギー素因が強い児では乳児期から発症する例があります。また、我が国の1歳6か月児健診での有症率は1.5%という報告があります。スギ花粉症は近年発症が低年齢化していることが報告されており、早ければ2歳台で発症することがありますが、乳児で花粉症を発症することはほとんどありません。
アレルギー性鼻炎の主な症状は、さらさらとした鼻汁、鼻づまり、くしゃみです。鼻すすりやいびき、口呼吸などが鼻汁や鼻づまりのサインであることもあります。また、眼の痒みや涙目、咳、鼻や眼の周りの皮膚のかゆみや発赤などもよくみられる症状です。症状で眠りづらくなったり、日中の眠気にもつながり日常生活に支障が出ることもあるため、放置せず早めに受診をすることをお勧めします。
治療としては、原因が特定できる場合は、可能な限り原因の回避と除去(こまめな掃除など)を行います。アレルギー性鼻炎の薬物療法は、症状や重症度に応じて抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などを用います。アレルギー性結膜炎では、アレルギー反応を抑える抗アレルギー点眼薬などによって、目のかゆみの症状を改善します。
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ定期的に身体に入れることで、アレルギー反応を和らげる治療法です。
アレルゲン免疫療法には、他の内服薬や点鼻薬と異なり、アレルギーそのものを治す、あるいは長期間抑えることができる効果があります。効果が出てくるのは数か月かかることがあり、効果を持続するためには、3年以上治療を継続することが推奨されます。口腔内の腫れ、かゆみなどの副作用がみられることがありますが、自然に回復することが多いです。小児においても重篤な副作用が起こることは少ないとされていますが、喘息がある場合は注意が必要であり、喘息のコントロールが不良なお子さまは適応となりません。
アレルゲン免疫療法は一般的に5歳(1分ほど舌下に保持できる年齢)から実施できます。
原因となる食物によって、じんましんやまぶたの腫れ、嘔吐や腹痛、咳などの症状が、免疫反応によって引き起こされる病気です。時に、複数の臓器に症状が出て、急速に進行するアナフィラキシーやさらに血圧が低下して意識がもうろうとするアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

令和5年 即時型食物アレルギー全国モニタリング調査によると、即時型食物アレルギーを起こしやすい食品の順位は以下の通りです。
食物アレルギーの診断は食物摂取による明らかな症状と血液検査での特異的IgE抗体の証明で診断します。問診や検査から原因食物を特定できない場合には、食物経口負荷試験を行って診断します。
食物アレルギーの治療・管理の原則は「正しい診断に基づいた必要最低限の原因食物の除去」です。食べると症状が出る食物だけを除去し、なるべく除去は必要最小限とし、原因となる食物でも症状が出ない「食べられる範囲」までは食べるようにすることが望ましいです。
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